『壜の中のメッセージ』は1981年3月、ぼくが27歳の時に角川書店から刊行された単行本のデビュー作だ。雑誌でのデビューは『鏡の中のガラスの船』(講談社)だったが、単行本になったのは、わずか数日だがこちらのほうが早かった。
最初の本が書店に並んだ時の新鮮な感動は、今も忘れない。
この度、新風舎が文庫をスタートし、作家達のデビュー作を収録する「記念すべきデビュー作シリーズ」を編むのに際し声をかけてもらったので、この作品を入れて頂くことにした。『鏡の中のガラスの船』は「作品集iNovel」に入れたので今でも手に入るが、『壜の中のメッセージ』は図書館以外では読めなかったからね。
この作品の続編として、ニューヨークを舞台にした『パーク・アベニューの孤独』(1983年)を書いた。真冬のニューヨークからレゲエが生まれたジャマイカへ飛び、六カ月をこの島ですごしながら『星とレゲエの島』(1985年)を書いた。さらにジャマイカで友達になった多くのラスタマンがアフリカについて熱く語るので、単純なぼくは影響を受け「やっぱりアフリカだよな」と思い、ケニアに行くことになる。その体験をベースに『ママ・アフリカ』(1993年)を書いた。
そんなわけで、『壜の中のメッセージ』の主人公の冒険は、ニューヨーク、ジャマイカ、アフリカへと引き継がれていくことになった。10年もかかったことになるわけだ。
この四部作を、ぼくは自分なりの"Boys Life"なのだと思っている。これらの小説はもちろんフィクションだが、ぼく自身や友人達の体験がベースになっているからだ。
若い頃の作品なので、照れ臭い気もするが、読んでいただければやはりとても嬉しいです。