第4章 セリーヌと、夜の果てへつづく長い旅

 本屋をぶらついていて、この本の背表紙が目に入った時、ひらめくものがあった。夜の果ての旅? こいつはいけそうだ!
 そいつは、衝撃的だった。ぼくは興奮した。毎日毎日、<冗談じゃねーよ!>と思っている当時のぼくに、セリーヌはあまりにも刺激的だった。<冗談じゃねーよ!>と何かを罵り、その次にどんなことを言えばいいのかを、セリーヌが教えてくれたのだ。
 たとえば、こんなふうにやればいいのだ。
<そうじゃないか、こんな世界にいるかぎりは、いちばんいいのは、そこから抜け出すことじゃないか? 狂気だろうと、恐怖だろうと、かまっておれるか>(『夜の果ての旅』訳・生田耕作)

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