マッキントッシュこそは希望なのだ。
 一台のコンピュータの向こうに、希望がある。ぼくは本気だ。
 OSXに乗り換えるのをためらい、もういっそのことWindowsノートにしようかなと思っているあなた。あなたは、ほんとうにあのケバケバしいユーザーインターフェースで我慢できるのだろうか。あなたの美意識は、それを許してしまうのか。
 無神経にもMicrosoft Word の書類をメールで添付してくる圧倒的大多数のWindowsユーザーに、あなたまでもが屈してしまうのか? Microsoft Office Xを購入すればそれですむ話ではないか。
 それに、スティーヴ・ジョブスはオリジナルなブラウザのSafariや、お互いに連携することでその真価を発揮するiApplication、さらにMicrosoft PowerPointに対抗するKeyNoteなどで、独自の路線を歩み始めている。Microsoft Officeのすべての書類が、アップル独自のアプリケーションで優雅に読み書きできるようになるのは時間の問題だ。かつてクラリスワークスを開発したチームが密かにMicrosoft Officeを凌駕する統合ソフトの開発を進めている、という説もある。
 でも、ファイル共有やDVDのバックアップができない? いや、マックでもできるよ。そのことも、この本でちゃんと書くつもりだ。アップル・コンピュータの創設者の一人のスティーヴ・ウォズニアックが元祖ハッカーだったことを忘れないでもらいたい。

(略)

 それに、断言してもいいが、OSXは最強のOSである。今じゃこいつはPantherに進化し、G5に搭載されているんだぜ。ショップのデモ機を触ってみただけだが、G5のスピードは、とりわけG5を前提に開発されたAdobe Photoshop 7などではその威力を発揮する。あるいは同時に、Pantherは高速で安定しており、G3やG4がチューンアップされた感じがする。設計やデザインもいいしね。PantherはOSXを現実的な存在にしたとぼくは思うね。
 もしもあなたが今Windowsユーザーで、ちょっとマックも気になるな、乗り換えてみようかなと思っているのなら、今が絶好の機会である。マッキントッシュの歴史上、このコンピュータは今がいちばん輝いている。しかも安い。12インチのG4iBookが、800MHzのモデルで12万4千8百円だよ。コンボドライブ搭載で、DVDが見られてCD-ROMが焼けて、しかもG3じゃなくて、G4エンジンを搭載してるっていうのだよ。なんか、嘘みたい。
 物心がついた頃から、ぼくらは知識を求め始める。知識が日常的で個人的な体験を通過すると、知性になる。知性を普遍化すると、英知になる。
 恋愛に関する本を読んで得られるのが知識で、実際に異性を好きになり喜びを感じたり酷い目にあうことによって得られるのが知性である。それを絵画や音楽や文学で表現した時に、多くの人々が共有できる英知というものが誕生する。
 Windowsマシンでも、知識を得ることはできるだろう。知性までいくと、どうだろうか。ま、これはユーザー次第だから断言するのはやめておこう。
 だが英知となると、マッキントッシュの独壇場である。マッキントッシュは、スティーヴ・ジョブスが東洋と西洋を合体させることのなかから生み出したコンピュータなのだから。
 古くからのマックユーザーの間に、こんなジョークがある。
「でもあなたは、アップルのマークが入ったジャンボジェットに乗る気がしますか?」
 マックがよくフリーズする、という事実を前提にしたブラックジョークである。
 だがOSXはUNIXベースだからフリーズしない。やる気になればターミナルを使い、UNIXにアプローチすることも可能だ。
 マッキントッシュを窓口にすると、デジタルは人間に優しい。
 デジタルの向こうに、温かな未来が見える。
 そういうことを、ぼくはこの本で、あなたと分かち合いたいんだよ。

「はじめに」より