もう十年もすれば、大麻で逮捕されたことなんか笑い話になってるよ。チョコレートやコーヒーやタバコで死刑になった時代を笑うようにね。
 ポット、マリワナ、カンナビス、ヘンプなど、英語だけでも百種類以上の呼び名があるのも、大麻が愛されてきたゆえんだ。大麻はすさんだ日常のなかで麻痺した感性を瑞々しくよみがえらせてくれる。
 アマゾンで大麻は「サンタ・マリア」と呼ばれ、聖母マリアの植物として崇められている。
 大麻は植物界と人間界をつなぐ精霊なんだ。
 昨日なにを食ったかもおぼえていないのに、精霊に導かれて旅した記憶は鮮やかさをましていく。
 アマゾンの樹冠をくゆらす風の歌、
 モロッコの砂漠をおおう救済の青空、
 ネパールの湖からながめる純白のヒマーラヤ、
 インドの乞食僧のこいたでっかい屁。
 世界はかぎりなくばかばかしく、愛おしい。
「ポット・プラネット」に生まれてよかった。(解説より)

AKIRA(作家)
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