かつてのヒッピー・カルチャーのなかで、多くの人々に読まれた名著がある。アンドルー・ワイルが変性意識を論じた『ナチュラル・マインド』である。ワイル博士の仕事はやがて『太陽と月の結婚』を経て、『癒す心、治る力−自発的治癒とはなにか』に結実することになった。
 ポスト911に刊行された本書は、ヒッピー以降のマリワナ・カルチャーを鮮やかに描き出している。アメリカ合衆国のパワーポリティクスが多くのマイノリティを支配する世界を、残酷な透視画のように見せてくれる。大麻を巡る新しい世代のための新しい古典として、本書は日本でもきっと長く読み継がれていくことだろう。そういう本を翻訳者として皆さんに紹介できることを、ぼくは密かに誇りに思っている。(翻訳者によるプロローグより)

                  山川健一